お母さんは可愛いね

父が他界し、母の介護の最中です。

人の御世話をする、なんて聞くと、綺麗事に聞こえるかもしれませんが、

実際は、ゴジラとキングギドラの戦いのように

「グオーーーーーー」「ガオーーーー」と言った感じです。

数か月に一回くらいは、堪(たま)らず、私も叫び声をあげたことがありました。

このままだと、私の神経が、擦り切れる。

何とかせねば、そうだ、よし、言霊(ことだま)の力を使ってみよう。

私:「お母さんは、可愛いね」

母:「どこが?」

私:「え?(どこ?どこって・・うーん、それは考えてなかったな・・)」

後日、また、挑戦する。

私:「お母さんは、可愛いね」

母:「どこが?」

私:(よし、来た!) 「ぜーーーんぶ!」

すると、母は、にこっと笑った。

ゴジラとキングギドラの戦いが母の笑顔で救われた。

それからは、

「綺麗な空やね、お母さんみたい」

「綺麗な花やね、お母さんみたい」

「綺麗な海やね、お母さんみたい」

母の心がほころんで、笑顔になる。

人を動かすと言うのは、人の心を動かすということ。

その人の心が何を欲しているのか、まずは観察から始めましょう。

顔の表情、目線、右手の位置、左手の位置、右足の位置、左足の位置

どんな感情で何を考え、何を欲しているか。

察することが出来たなら、望んでるもの上げましょう。

先に相手が望んでいるものを上げると、相手は、あなたが欲しいものを与えてくれる。

母と私の場合は

母は、自分の言うことを聞いて、認めて欲しかった。

私は、母の穏やかさが欲しかった。

私の、「お母さんは可愛いね」と言った言葉は、母の承認欲求を満たし、

心に喜びと愛を与えた。

母の笑顔は、私に、穏やかさと喜びと愛を与えた。

人を動かしたいのなら、相手が望む心的エネルギーを先に与えることです。

喜びの感情は、人間関係を飛躍的に向上させる。

Jill WellingtonによるPixabayからの画像