ありがとう 悠久の時

先祖と繋がる魔法の言葉

11年程前、東京のカフェのお部屋をお借りして対面相談をお受けしていた時、その帰路の飛行機の中で突然、入ってきました。

国語の日本語が持つ不思議な力を研究をしている方もおられるようですが、その不思議な力を感じるのがこのお話です。

大東亜戦争で日本は米国に敗戦し、7年間もの間、GHQ(General Headquarters)に占領されました。

大国の歴史を見るに占領後に自治を認めても領土を手放すことはありません。

しかし、日本は国家として存続しているのです。

未だに敗戦の痛みを背負い続けていますが、国家として、国土があり、国民があり、国旗があり、国家があり、そして国語が存在しています。

ハワイ王国滅亡の話をご存じでしょうか?

叶わなかったハワイ国王の願いと日本人

明治14(1881)年3月11日、ハワイ王国の国王であったカラカウア王が赤坂仮御所の明治天皇を訪問。

当時、米国による侵略の危機にあったハワイ国王は、日本の皇族との婚姻を

結ぶこと、日本・ハワイが連合を組み、欧米による支配から守ろうとしたのですが、

日本はまだ明治維新間も無くのこと、国力が伴わず婚姻は謝絶、東郷平八郎率いる

巡洋艦「浪速」と「金剛」を派遣しました。

しかし、日本・ハワイ連合は実現せず、ハワイ王国は滅亡しました。

日本は7年間の占領期間があったものの、米国CIAサイト、ギネスブックには、

日本が最古の独立国家としているようです。

(ただし、その解釈については賛否両論諸説ありです。)

さて、前置きが長くなりましたが、国語である日本語が持つ不思議な力とは

何なのでしょうか。

帰路の飛行機で入ってきた内容は、「ありがとう」の言葉には、

あ・あ り・い が・あ と・おう

あ  かあさん   母さん

い  じいさん   祖父さん

あ  ばあさん   祖母さん

おう とうさん   父さん

お父さん、お母さん、お祖父さん、お祖母さん と繋がる言葉だと。

誰しも父母、祖父母がいるのです。

遡ると一体、始祖は誰だったのでしょうか?

何千年か、何万年か、ずっと命を紡いで、繋いで、今、ここに私たちは生きている。

「ありがとう」は、遥かなる時の流れを感じ、自分の中に流れる血脈を感じ、

先祖と繋がりその絆を感じる言葉なのです。

これって、凄いことだと感じませんか?

生きるということは、自分ひとりで生きているのではなく、先祖の血と意思を受け継ぎながら生きているのです。たくさんの先祖の願いと守りに包まれて私たちは、今、ここに存在している。

ありがとう と口にする時、父と母と祖父と祖母と繋がり、遥かなる悠久の時を超え、   先祖と繋がる神秘を感じています。

日本語の母音の神秘。

ハワイについては、こちらhttps://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210529-41colonia.htmlの記事を参照しました。

特別寄稿=踏みにじられたハワイ国王の夢=知られざる日本とハワイの歴史=サンパウロ市在住・酒本恵三